
「こどもはこうあるべき」「みんなと同じように」と思ってしまうことも少なくありません。
また、子どもができることを「当たり前」ではないということを保育者として意識しなければなりません。
子どもの行動の背景には、必ず理由があります。
落ち着きがない、集中できない、力加減が難しい。
そうした姿を前にしたとき、私たちはつい「今は〇〇する時」「みんなはできているのに」と声をかけてしまいがちです。けれど、その行動の裏には感覚の特性や不安、環境とのズレが隠れていることがあります。
今回の山本先生の研修では、感覚統合の視点から行動を「問題」として切り取るのではなく、その子なりの理由のある反応として捉えることの大切さを学びました。
見えている困りごとは結果であり、原因はもっと手前の感覚や環境にあって、そう考えると、子どもへの関わり方は「正す」から「探る」へと変わってきます。
集団の中で子どもを育てる保育の視点と、一人ひとりの状態に丁寧に目を向ける療育の視点。
その両方を持つことで「みんなと同じにできない」ことを課題にするのではなく、「この子には今、何が必要なのか」を考えられるようになります。
行動を止める、直すのではなく遊びや環境を通じて感覚的に働きかけること。
その積み重ねが、子どもの「できない」を「やってみたい」「気づかないうちにできていた」へと変えていく。そのためには子どもが安心して挑戦し、繰り返し試せる、その子がその時に遊びこめる環境を整えることが何より大切なのだと改めて振り返ることが出来ました。
そして別の視点で、研修を受ける職員の「保育の質を高める」とは何でしょうか。
それは知識を増やすことだけではなく、当たり前を疑い、職員同士で考え続けられることが何より大事なのだと思います。研修に参加する意義は、答えを持ち帰ることではなく、その問いを園で活かすこと。そしてチームで共有し柔軟に話し合える職場環境が整っていてこそ研修で得た学びが質向上へとつながっていくのだと思います。
子どもは一人で育つことはありません。
担任だけでなく、クラスや立場を越えた関わりの中でたくさんの経験を積み重ねていきます。
だからこそ私たちは園にいる全ての子どもたちの担任でありたいと思っています。
「その子らしさ」を起点に保育と療育の視点を重ねながら、子どもの行動の意味に立ち止まりサポートをしていく。今回の研修も一瞬一瞬を振り返る素晴らしい時間となりました。
【ご案内】
2026年1月23日(金)13時より当園にて山本大地先生の子育て支援講座を開催します。
テーマ「どうしてチクチク言葉がでちゃうの?~情緒と他者感情理解の関係性~」です。
・一方的に話してしまう
・話し出すタイミングが悪い
・言葉の発達に悩んでいる
言語の発達について詳しくご説明いただきます。
当園(現地)・オンラインでのご参加も可能ですので、是非参加ください。
※参加費は無料です。
※神奈川県大井町在住以外の方も参加可能です。

