開園当初から実習生や職業体験(高校生含む)の受け入れを積極的に行っており、今月は2名の実習生がこども園へ学びに来てくれています。養成校も異なり、学年も1年生・3年生とそれぞれ経験値に違いはありますが、実習生たちは現場で真剣に子どもと向き合いながら「保育士」や「幼稚園教諭」としての役割を学び、成長しています。
先日行ったカンファレンスで、それぞれの気持ちや悩んでいることについてじっくりと話を聞くことができました。気持ちの部分では保育者としての責任の重さといかに子どもたちと信頼関係を築いていくか、自分自身が楽しみながら保育をすることの大切さと難しさを噛みしめていました。
そのような話をする中で印象的だった悩みでは1年生の「緊張の乗り越え方」
それに対して3年生は「2回目の実習でもやっぱり緊張する。自分なりの克服方法としては、ねらい(今日の目標をこれ!と決めて)その目標に向かって意識を集中させること。その日にできなかったことを次の日の目標にして子どもとの関わりに変化をつけて自己成長を感じること。 その目標を設定することで心の中で緊張感をうまく整えている」と語ってくれました。こうした考え方に実習生の想いの強さも感じられて思わず納得してしまいました。
実習生が共通して悩んでいた点が「子ども同士のトラブルの解決方法」
1年生は「トラブルの状況を見て、どこで声をかけ、どこまで見守るべきか、どの言葉が適切なのか判断がとても難しいくて正解が分からない」と悩む中、それに対して3年生は「自分も未だに正解は分からないけれど、できるだけ子どもが自分で解決に導ける声掛けを考え、両者の気持ちをしっかり受け止めどうしたかったのか・どう感じているのか・月齢が低ければ代弁するなど子ども自身が気づくきっかけを作るように意識している」と話してくれて、3年生から1年生へ伝えるアドバイスがとても頼もしく感じられた瞬間でした。
また、「保育者は一度に複数の子どもたちの対応をしなければならなくその対応力に凄さに驚いている」と率直な思いも聞くことができ、保育現場では子どもたち一人ひとりの個や特性に合わせた丁寧な対応が求められるからこそ子ども同士のトラブル解決やあそびのサポートをしていく中でこの難しさを感じられたことは実習ならではの学びになったのだと嬉しく思いました。
最後に出た悩みが「実習日誌の書き方」
1年生は「時系列を追いすぎると長くなってしまう」「何を重点的に書けば良いか分からない」「全部を書こうとすると夜中までかかってしまう」といった悩みに対して、3年生は「最初の実習の時には悩んだけれど、今回はその日のねらいにフォーカスを当てて子どもの育ちや保育者としての配慮を捉えていくことに意識をしていくと日誌を書くことが楽しいし余り時間がかからない」とアドバイスがあり、3年生の言葉は自分自身の緊張の克服と全力で実習に取り組んでいるそのものだなと感じました。
カンファレンスの締めでは、「どんな保育士になりたいか」という問いについて、子どもたちの成長を通じて自分自身も成長しビジョンが見えてきたと伝えてくれました。 実習生たちが現場で経験する苦労や喜びを通じて、私たちも改めて保育の奥深いなと実感しましたし、実習生はただ学びにくるだけでなく、園にとっても彼らから学ぶことも多く、園全体で保育に対する意識を変えてくれる存在だなと痛感しました。もちろん各クラスで部分実習や責任実習、日々の振り返りのカンファレンスは行っていますが、実習生同士のカンファレンスもお互いの経験や考え方をシェアすることができるとても良い時間でした。
実習生たちが理想とする保育士像に近づけるように、多くの経験を得て歩んでもらいたいと願っています。